結婚後から心に留める離婚予防④

結婚5年あたりが
峠
2人で乗り越えることを忘れない多くのカップルが躓く難所
今回のポイントは、人の発達段階、家族の発達段階、家族を取り巻く社会システムを要素として考察し、解決策を提案します。
(尚、夫婦で子どもをもつか、もたないかの選択は自由です。今回は、子どもをもつ選択をした、する夫婦に向けて書いています。)
出来るだけ簡潔に。
エリクソンの発達段階は有名ですね。
これに家族の発達段階というものもあるのです。ライフサイクル論といいます。
家族ライフサイクルとは、
カップルが夫婦になり、夫婦に子どもができ、子どもが生まれ、子どもが小学生になり親の手が少し離れ、子どもが思春期になり、やがて家族を巣立つ。親の世代は老後に向け生活を整えていく。
そのような家族の流れを、各段階に分け、家族の機能の変化と課題を理解しようとするものです。
家族ライフサイクル論でよく見かけるのは、カーターとマクゴルドリック(Carter&McGoldrick 1980)の説である。私が知っているものでは、1980年の6段階説。
この「発達段階」って何なん?
簡単にいうと、人の発達や家族の発達には、各段階があり変化と課題があるようです、ということです。
え??個人や家族はそれぞれ違うのに同じ発達をするの?
と思うこともあると思います。
こう考えると分かり易いかもしれません。
人の身体の成長の仕方が概ね同じように、精神的課題も概ね年齢により同じであるということです。
精神的課題については、もう少し丁寧に言うと、
身体の成長とは異なり、人が社会的な生き物であるがゆえに、他者からの養育や交流が欠かせないという事があります。
例えば、コミュニケーション能力を育むことは、幼少期の養育者との情緒的なコミュニケーションがあることが基本になります。
人として生まれたことは、1人ではなく他者と関わって生きるということなのかもしれません。
家族の発達段階という考え方は非常に興味深いと思います。
個々が集まって作る小集団に発達段階がある、という考え方なのですから。
自分と周囲の家族を見渡せば、
「ああ、そうかもしれない」と感じるかもしれません。
家族の発達段階より結婚5年あたりとは
家族の発達段階より、結婚5年あたりとは、夫婦となり子どもができる時期、もしくわ子どもを持つかどうかの判断をする時期になると考えると、下記の時期に概ね該当するでしょう。
2、結婚による両家族の結合(新婚期・家族の成立)
(家族システムの発達課題) 夫婦システムの形成 実家の親との付き合い 子どもをもつ決心
(個人の発達課題)友人関係の再編成
3、子どもの出生から末子の小学校入学までの時期
(家族システムの発達課題)親役割への適応 養育のためのシステムづくり 実家との新しい関係の確立
(個人の発達課題)世代性vs 停滞 <第2世代>基本的信頼vs不信ー自律性vs 恥・疑惑ー自主性vs罪悪感
*夫婦が「夫」と「妻」役割に加えて「親役割」を担うようになる。新しい家族の誕生は大変喜ばしいことではあるが、家族のカタチが変化し関係性も変化してくるため、ある種のストレスがかかる。親になることは、誰にでも「初じめて」であること、親から受け継いだものを感じつつも、試行錯誤しながら「親」になる。また、実家との新しい関係を構築する。依存的にならないよう留意する。
この時期の発達段階は非常に重要です。
2019年6月公表の厚生労働省の発表では、2018年度の離婚数は20万8333件であり、同居期間別にみた離婚件数では、結婚後5年未満の離婚が多い。
厚生労働省の統計を参考にすると、昭和60年から変わっていない。厚生労働省の統計では5年ごとに区切りをつけているが、10年ごとにすると、全体の約半分は10年未満に離婚していることが分かる。
離婚件数は平成14年度以降減少傾向にあるものの、同居期間別離婚件数では、同居期間が20年以上の離婚件数は近年ほぼ横ばい傾向にある。
結婚5年あたりは、何がネックとなるか。
上記の家族システムの発達課題にあるように、
「親役割」への適応。
養育のためのシステムづくり
これだ!!!
社会のシステムを見渡してみると、ひと昔に比べ「共働き」が多くなってきたが、「ワンオペ育児」という言葉が表すように、育児、家事、仕事の分担が偏り易い。
男性の育児休暇取得率も未だ低い状況で、お互いに分担しあい協力しながら日々を過ごす夫婦も増えてきた。
しかし、まだまだまだまだまだだ。
偏りの中での人の意識は、こうなる。
「社会は、共働き。育児、家事、仕事、上手く分担できている夫婦になりたい」
「諸外国に比べて男の育児、家事参加時間が少ない。由々しき問題」
「こんなに大変な自分は不公平だ」
社会のシステムが「現実」に追いついていない。
遅い
これは、単に個人の課題というより、社会システムの課題といえよう。
現に、性別関係なく子どもをもつ人、家庭、には社会のシステム、社会保障が整っている、優しい国は多くある。
この国は遅いのだ。
もともと「家族の発達課題」としてある課題がより、より複雑化してしまう社会で、子育てをして生きているということだ。
「親役割」の適応、簡単に言うけれど・・・これだって難しい。初めての「親」ですから。
「養育のためのシステムづくり」、これが本当に課題だ。
偏った「養育のためのシステム」を創ってしまうと、どちらかに負担がかかる。
その偏りに気づかずに過ごすと、
負担を多く背負った方は、離婚を考えるか、
「今」を耐え、子どもが成長してからの離婚を決意する。
だから、結婚後同居期間20以上の離婚件数は減らないのではないだろうか。
結婚10年未満の家族の変化は目覚ましい。
「課題」を意識し、どうか2人で乗り越えて欲しい。
オンナは記憶力が発達している。生態として弱き者は記憶をしておくことで脅威に対応するから。
過去の出来事をよく記憶する生き物。
2人で乗り越えた記憶を持てば、老後も温かさをもたらそう。
2人で乗り越えられず、オンナが負担を背負い苦しめば、その記憶をもって決断するか冷気をもたらす。
「苦しい時に助けてくれなかった」
「苦しい時に一緒に乗り超えられた」
解決策
- 予防策を練る。話し合って決める。
- 偏ってしまう時期や期間があっても、心が離れないように労りや感謝を伝える。
- 積極的に子育て、家事サービスを使う。お金で解決できることはする!
- 時には2人で立ち止まって。
- セックスレスにならないように、「触れる」ことを疎かにしない。(マッサージとかハグとか)
- 時には、負担のかかる方に「時間」のプレゼントをする。
- 家事、育児を分担するが、得意な方が指揮をとりマネージメントする。全て平等でなくていい。
- 家事、育児が苦手な方には、スモールステップ。一度にたくさんを求めず。少しずつ小さなことから。教えてあげる。
- 家事、育児が苦手な方には、褒めちぎるぐらい大袈裟に。少しずつ、だけど多くが上手くできるように絶対になる!!!(実証済み)
- 子どもが愛おしくても、「いつも」2人を異性として特別に思うよう努める。(努力でいい)
全てのカップル、夫婦が幸せに。
この峠を乗り越えられますように。
ありがとうございました。